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"Idle Talking About My Interesting things"
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この本のこの章で取り上げられているのは、「情報の価値」についての話。

現在、(過去と比較して)大量の情報が氾濫し、また情報の処理能力は格段に上昇している。
しかし、果たしてそれらの変化は直接的に人間の生活を変化せしめているか?
情報を扱う能力が20倍になっても、生産性が20倍にならないのは何故か?

こういった疑問に「情報の価値」についてのある種の見解と共に答えていく。



情報というのは、その情報が何らかの行動に繋がって初めて「価値」を持つ。

勿論、好奇心を満たしたりだとかの「快楽」としての情報の使い方も有るが、それらを「情報の価値」という尺度に変換することはこれまでのところ成功していない。映画や漫画が観た人の行動に直接的な影響を及ぼすのは稀だろう。また、地球の裏側について一般人が知ったところで一体どんな現実的な価値が生じるだろうか? 「何故人はそんな情報を知りたがるのか?」というのも非常に興味深いテーマだが、とりあえず今回はエンターテイメントとしての情報の意味については考えないことにする。

さて、行動に直結する(そして、明確に価値の計れる)情報というのは、例えば「株価の動向」とか「ビジネス・プロジェクトのシミュレーション」だとかそういう類のものだ。
そして、昔は何かのシミュレーションなんかは人間が紙上で計算していたわけだが、現在ではコンピュータにやらせるのが普通だ。その結果、情報の処理速度や扱える情報の量なんかは数十倍~数千倍になった。だけど、過去と比べて生産性は同じ比率で伸びているだろうか? いや、せいぜい数パーセント程度が関の山だろう。
この原因は何か? それは「生産性に最も影響を及ぼす要因が意思決定の早さ」だからである。そして、人間という生物は、情報をいくら沢山手に入れても、いくら早く処理できても、その意思決定に到達するまでの時間という点に関してはすぐに頭打ち状態になってしまう。そして、それはつまり人間の「躊躇い」・「不安(安心)」といった感情に関する問題である。

この対策として以下の二つの方法が考えられる。
①人間から躊躇いの感情を摘出すること。
②意思決定の場面での主役を人間からコンピュータにすること。

①について、それに、もし人間の躊躇う時間が半分になったら、生産性は2倍とはいかないまでも情報処理能力が10倍になるよりはずっと比率で向上するはずである。それに、その判断の結果としての精度にも恐らく大した違いは生じないはずだ(合理的な判断とは殆どが確率によって与えられたものに過ぎない。いくら最後の2択を悩んだところで、結果も結局は確率的に異なるに過ぎないのである)
②について、コンピュータが全て(確率的に)意思決定する世界とはどんな世界だろう? SF小説に目を向ければ、「コンピュータに支配された世界」というストーリーは腐るほど散見され、そういった世界では決まって人間は反逆のために立ち上がる。しかし、本当にそうなるだろうか? 案外殆どの人間は完全にリテラシーを失い、コンピュータに依存して生きていることにも気付かないのではないか?(っていうか、今だって結構似たようなもんでしょ?)

さて、結論。
扱う情報量や情報処理能力がいくら向上しても、意思決定のスピードにはあまり反映されない。
そして、もし情報の価値を高めたいのであれば、意思決定までの「躊躇」を排除することこそが最も効率的である。

近いうちに、躊躇いを排除した世界をシミュレートするプログラムを書いてみようかな。。。

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Hamhei HORIUCHI
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男性
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Researcher
趣味:
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自己紹介:
貴方が本を読み続ける限り、貴方は取るに足りない紙屑の存在に幻滅し続けるだろう。
Blogもそれと同じで、その殆どは読んだ人間に対して何も学ばせることの無い、全く意味を為さない落書きみたいな内容だ.

一方,文章を書くという行為は、主体に対して幾許かの成長を約束する.退化はあり得ない.
その一例として、物事を体系化する手順を学習することができたり,自己理解が促進されたり,さらには新鮮な驚きと発見が内から魔法のように引き出されることもある.

最後に、我々の価値観が互いを許容でき,かつ刺激し合う程度に『違って』いますように.
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